「よく噛んで食べなさい」
子どもの頃から、何度も聞いてきた言葉です。
でも大人になると、仕事や家事に追われて食事まで急ぎがちになります。
私自身もそうです。
お腹が空いていると、つい箸が進む。
食べ終わってから「もう少しゆっくり食べればよかった」と思うことがあります。
では、よく噛んで食べることは、本当にダイエットに役立つのでしょうか。
調べてみると、これは単なる昔からの言い伝えではありませんでした。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、速食いの習慣がある人には肥満者が多く、「ゆっくりとよく噛むこと」は肥満対策の一つとして期待されていると紹介されています。
ただし、ここで大切なのは「30回噛めば痩せる」という単純な話にしないことです。
噛む回数を増やす。
食べる速度を落とす。
食事を味わう時間を作る。
その結果として、食べ過ぎを防ぎやすい食習慣を作る。
私は、これが「よく噛むダイエット」の本当の価値だと思います。
- 30秒チェック|あなたは「速食い」になっていない?
- 結論|よく噛むことは「痩せる魔法」ではない。でもダイエットに使える
- なぜ「速食い」は太りやすさと関係するのか
- よく噛むと「食べ過ぎ対策」になる可能性がある
- 「満腹になるまでの20分」は気にしすぎなくていい
- 一口30回噛めばいい?
- よく噛むと食事そのものが変わる
- 「噛むこと」だけでなく「噛めること」も大切
- よく噛む習慣を作る7つの方法
- 「野菜から食べる」と「よく噛む」を組み合わせる
- よく噛むことを「食べ過ぎ防止の仕組み」にする
- 噛む回数より大切な「食事全体」
- ガムを噛むと食欲対策になる?
- よく噛むダイエットがおすすめな人
- 無理に「30回」を目指さなくてもいい人
- よくある質問
- あわせて読みたい記事
- まとめ|「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」
- アフィリエイト広告について
- 免責事項
- 参考文献・参考資料
30秒チェック|あなたは「速食い」になっていない?
- 家族や周囲の人より先に食べ終わることが多い
- 一口が大きい
- 口の中に食べ物があるのに次の一口を準備している
- 食事中ほとんど箸を置かない
- 空腹になると一気に食べる
- スマホやテレビを見ながら無意識に食べる
- 食後になってから「食べ過ぎた」と気づくことがある
いくつか当てはまるなら、「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」を見直す余地があります。
結論|よく噛むことは「痩せる魔法」ではない。でもダイエットに使える
先に結論です。
よく噛むだけで、どんどん体脂肪が落ちるわけではありません。
しかし、だから「意味がない」という話でもありません。
研究では、速食いと肥満との関連が繰り返し報告されています。
また、咀嚼回数や食べる速度などの口腔内での食物処理が、空腹感や食事摂取量に影響する可能性を示した研究もあります。
つまり、よく噛むことを、
「噛んでカロリーを消費するダイエット」
ではなく、
「食べる速度を整えて、食べ過ぎにくい食事へ変える方法」
として考えると、とても実用的です。
なぜ「速食い」は太りやすさと関係するのか
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、日本人成人を対象にした複数の疫学調査が紹介されています。
愛知県の35~69歳の成人を対象にした調査では、食べる速度が速い人ほどBMIが高く、20歳時点からのBMI増加量も大きい傾向が確認されています。
また別の成人を対象とした研究では、「速食い」と「お腹いっぱい食べる」の両方の習慣を持つ人では、BMIがさらに高いことが報告されています。
ここは、40代のダイエットでかなり重要だと思います。
私たちは体重を落とそうとすると、
- 糖質を減らそう
- 脂質を減らそう
- カロリーを減らそう
- 運動を増やそう
と「何を変えるか」ばかり考えます。
でも、いつもの食事を速く食べていること自体が、見直せる習慣なのです。
よく噛むと「食べ過ぎ対策」になる可能性がある
咀嚼と食欲については、複数の研究をまとめたシステマティックレビューやメタ解析があります。
2015年のシステマティックレビュー・メタ解析では、咀嚼を増やすことで自己申告による空腹感が低下し、複数の実験で食事摂取量の減少が確認されています。
さらに、食べる速度や咀嚼回数、食品の食感など「口の中でどのように食べ物を処理するか」をまとめて分析した研究でも、咀嚼に関係する要素が空腹感や食事摂取量に影響することが示されています。
つまり、
ゆっくり噛む → 食事時間が延びる → 食事を味わう時間が増える → 食べ過ぎにくくなる
という流れは、ダイエットで利用する価値があります。
「満腹になるまでの20分」は気にしすぎなくていい
ダイエットの記事では、「満腹中枢が働くまで20分かかるから20分以上食べよう」といった説明を見かけます。
しかし、人間の食欲や満腹感は一つのスイッチが時間になったら突然入るほど単純ではありません。
胃の膨らみ、食事量、食べる速度、味覚、消化管からのシグナル、食欲に関係するホルモンなど、さまざまな要素が関係します。
ですから、時計を見ながら「20分経つまで食べなければ」と考える必要はありません。
大切なのは、数分で一気に食べ終わる習慣から離れることです。
一口30回噛めばいい?
「一口30回」という数字には、ちゃんと背景があります。
厚生労働省の検討会では、一口30回噛むことを目標とした「噛ミング30(カミングサンマル)」が提唱されています。
ただし、e-ヘルスネットでも、一口30回噛むことは必ずしも簡単に続けられる習慣ではないと説明されています。
私はここが大事だと思います。
30回という数字を守ることが目的ではありません。
10回しか噛んでいなかった人が15回、20回と増える。
一口食べたら箸を置く。
いつもより少しゆっくり味わう。
それだけでも「速食いをやめる」という本来の目的には近づきます。
よく噛むと食事そのものが変わる
噛むことのメリットは、食事量だけではありません。
農林水産省も「ゆっくりよく噛んで食べること」を食育の一つとして紹介しています。
ゆっくり食べると、食べ物の味、香り、食感を感じる時間が長くなります。
同じ食事でも、急いで流し込むのと、しっかり味わって食べるのでは食事体験そのものが変わります。
これは意外と大切です。
ダイエット中だから食事を「我慢する時間」にするのではなく、量を整えながら食事そのものを楽しむ。
そのためにも「噛む」は使えます。
「噛むこと」だけでなく「噛めること」も大切
40代以降では、もう一つ考えておきたいことがあります。
それが「噛めること」です。
歯や口の状態が悪くなり、硬いものを避けるようになると、食べられる食品が偏ることがあります。
e-ヘルスネットでは、咀嚼に問題がある人では、ミネラル、ビタミン、食物繊維などの摂取量が低くなり、栄養摂取バランスの崩れにつながることが紹介されています。
つまり、健康的に食べるためには、
よく噛む。
そして、
いつまでもしっかり噛める口を保つ。
この両方が大切です。
よく噛む習慣を作る7つの方法
1.最初の一口だけ意識する
最初から食事中ずっと30回数える必要はありません。
まず最初の一口だけ、いつもよりゆっくり噛んでみます。
これだけでも「今日はゆっくり食べよう」というスイッチになります。
2.一口食べたら箸を置く
速食いの人は、口の中に食べ物が残っているうちに次の一口を準備しがちです。
一口入れたら、一度箸を置く。
非常に単純ですが、食事速度を落としやすい方法です。
3.一口を少し小さくする
大きな一口をどんどん食べると、自然に食事速度も上がります。
一口を少し小さくするだけでも、食事全体のペースを整えやすくなります。
4.「30回」より「飲み込む前にもう5回」
いきなり30回は面倒です。
そこで、飲み込みそうになったところからあと5回噛んでみる。
私はこのくらいの方が実践しやすいと思います。
5.食感のある食品を取り入れる
野菜、きのこ、海藻、豆類など、ある程度噛む必要がある食品を食事に取り入れると、自然に咀嚼回数を増やしやすくなります。
ただし歯や顎に問題がある人は、無理に硬い食品を選ぶ必要はありません。
6.空腹を限界まで我慢しない
お腹が空きすぎると、私はどうしても食べる速度が上がります。
「今日はダイエットだから昼を抜こう」と我慢して、夜になって一気に食べる。
以前は、こういうこともありました。
食事を抜いた反動で食べ過ぎてしまうなら、そもそもの食事設計を見直した方がいい。
食欲が止まらない原因と食べ過ぎを防ぐ方法でも、食欲を根性だけで抑えない考え方を紹介しています。
7.スマホを置いて食べる
スマホを見ながら食べていると、「噛んでいる」「味わっている」という感覚が薄くなりやすくなります。
毎食でなくてもいいので、まず一日一食。
食べることだけに集中してみる。
これも、食事速度を整えるきっかけになります。
「野菜から食べる」と「よく噛む」を組み合わせる
私が現在意識している食べ方の一つが、野菜などから食べ始めることです。
ここに「よく噛む」を組み合わせると、食事のスタートから速度を落としやすくなります。
たとえば、
- 野菜や副菜を一口食べる
- いつもよりゆっくり噛む
- 一度箸を置く
- その後、主菜やご飯を食べる
特別な食品を買う必要はありません。
同じ食事でも、食べ方は今日から変えられます。
よく噛むことを「食べ過ぎ防止の仕組み」にする
私はダイエットを続けてきて、「意思の強さ」だけに頼る方法は続きにくいと感じています。
目の前に食べ物があるのに、ひたすら我慢する。
お腹が空いているのに、根性で食べない。
それより、食べ過ぎにくい行動を先に作っておく。
その一つが「よく噛む」です。
食べてはいけないのではなく、ちゃんと食べる。
ただし、急いで流し込まない。
40代からのダイエットでは、こういう小さな習慣の方が長く続くのではないかと思っています。
除脂肪ダイエット|筋肉をできるだけ残しながら体脂肪を落とす考え方
噛む回数より大切な「食事全体」
よく噛むことは役立ちますが、ダイエット全体の一部分です。
毎回100回噛んでいても、食事全体の摂取量が大きすぎれば体重管理は難しくなります。
逆に、「30回噛めなかったから失敗」と考える必要もありません。
大切なのは、
- 食事内容
- 食事量
- 食べる速度
- 睡眠
- 運動
- 間食
を全体として整えていくことです。
ダイエットで体重が戻りやすい理由|身体の恒常性とリバウンドでも、短期間の我慢ではなく続けられる仕組みについて解説しています。
ガムを噛むと食欲対策になる?
「食事以外でも噛めば食欲を抑えられるのでは?」と思う人もいるでしょう。
2025年に発表されたシステマティックレビューでは、ガム咀嚼について9件のランダム化比較試験が検討されています。
複数の研究で空腹感や「食べたい」という感覚が抑えられた一方、満腹感、摂取エネルギー、体重減少への効果については結論が出ていません。
そのため、ガムを「噛めば痩せる食品」と考えるのではなく、口寂しいときなどに使える選択肢の一つとして考える程度がよいでしょう。
よく噛むダイエットがおすすめな人
- 食べるのが速いと言われる人
- 食後に食べ過ぎたと感じることが多い人
- 食事制限だけのダイエットが続かなかった人
- 忙しくて食事を流し込みがちな人
- 40代になって食習慣を見直したい人
- お金をかけずに今日から何か始めたい人
無理に「30回」を目指さなくてもいい人
歯や顎に痛みがある人、噛むこと自体がつらい人は、回数を無理に増やす必要はありません。
噛みにくさが続く場合は、歯科医師などへ相談してください。
また、食事をゆっくり食べることが強い負担になる場合も、「絶対に30回」と数字にこだわる必要はありません。
よくある質問
Q.よく噛むだけで痩せますか?
よく噛むことだけで大幅な体重減少が保証されるわけではありません。ただし、速食いと肥満には関連があり、咀嚼を増やすことで空腹感や食事摂取量に影響する可能性も報告されています。食べ過ぎを防ぐための食習慣として取り入れる価値があります。
Q.一口30回噛まないと意味がありませんか?
30回は一つの目安です。厚生労働省の検討会でも「噛ミング30」が提唱されていますが、毎回30回を数えること自体が目的ではありません。まずは現在より少しゆっくり食べることから始めれば十分です。
Q.噛むと満腹感が出ますか?
咀嚼を増やすことで空腹感や食事摂取量が低下した研究があります。一方、研究結果にはばらつきもあります。誰でも同じように強い満腹感が得られるとは限りませんが、ゆっくり食べる習慣づくりには利用できます。
Q.柔らかいものでもよく噛めばいいですか?
できます。ただし柔らかい食品は少ない咀嚼で飲み込みやすいため、食べる速度が上がることがあります。一口を小さくする、箸を置くなどを組み合わせるとゆっくり食べやすくなります。
Q.ガムを噛めば痩せますか?
ガム咀嚼で空腹感などが抑えられた研究はありますが、体重減少については結論が出ていません。ダイエット食品というより、口寂しさへの対策の一つとして考える方が適切です。
Q.40代からでも食べ方を変える意味はありますか?
あります。食事内容だけでなく、速食いなど日々繰り返している食行動を見直すことも健康管理の一部です。毎日の食事だからこそ、小さな変更でも続けやすいのが利点です。
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まとめ|「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」
ダイエットを始めると、私たちは食べ物を変えようとします。
ご飯を減らす。
脂質を減らす。
間食をやめる。
もちろん、それも大切です。
でも今回、改めて「噛むこと」を調べてみて、もっと手前に変えられることがあると感じました。
同じ食事でも、急いで食べるのか、ゆっくり味わって食べるのか。
速食いと肥満には関連があり、咀嚼を増やすことで空腹感や食事摂取量に影響する可能性も研究されています。
そして何より、よく噛むために特別な器具も高価な食品も必要ありません。
今日の夕食からできます。
一口目だけ、いつもよりゆっくり噛んでみる。
飲み込む前に、あと5回噛んでみる。
一度、箸を置いてみる。
それでいい。
49歳になった今、私はダイエットを「どれだけ我慢できるか」の勝負にはしたくありません。
食べることは、これからも毎日続きます。
だったら我慢する食事より、ちゃんと食べて、ちゃんと味わって、自然に食べ過ぎにくくする。
「よく噛んで食べる」という昔から言われてきた習慣には、今でも試してみる価値があると思います。
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免責事項
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を目的とするものではありません。歯や顎の痛み、噛みにくさなどが続く場合は、歯科医師などの専門家へご相談ください。
参考文献・参考資料
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「速食いと肥満の関係―食べ物をよく『噛むこと』『噛めること』」
- 農林水産省「ゆっくりよく噛んで食べていますか?」
- Miquel-Kergoat S, et al. Effects of chewing on appetite, food intake and gut hormones: A systematic review and meta-analysis. Physiology & Behavior. 2015.
- Forde CG, et al. Influence of oral processing on appetite and food intake – A systematic review and meta-analysis. Appetite. 2018.
- Effects of Chewing Gum on Satiety, Appetite Regulation, Energy Intake, and Weight Loss: A Systematic Review. Nutrients. 2025.


